Faible parfum de Parisバレエと日々のあれこれ。

2019年9月より、フランス・パリにて、バレエ教師国家資格を取得するために奮闘する日本人の日々をつづります。

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(続き)

5月初めに試験実施の通達を受けてから、残りの授業時間数を分割して個人レッスンがあったり、模試があったりと、常に目の前のことをこなしていくことにとにかく必死で、試験までの日々はあっという間に過ぎていきました。

それまで独りよがりに、頭にとにかくインプットする一方で、アウトプットができていませんでした。しかし、解剖学、音楽はどちらも口頭試験で、そのなかで10分間の論述をしなければなりません。解剖学はお題が3つ=10分×3で計30分間分、そして音楽の作品分析は、6題の中から一つ選ばれるので、60分間分の内容を記憶しなければならないわけです。今考えても頭がおかしくなりそうですが、作った文章を、ましてフランス語で、全て完璧に話すのは無理なので、とにかく重要なこと・自分が伝えるべきだと思う点だけにしぼって、元々の自分のサンテーズを一枚の紙に集約し、それを毎日、独り言のように、ぶつぶつと、内容をその場で自分の言葉で繰り返せるかどうか、シャワーをしている時、食器洗いをしている時、など、机に座っている時間以外の場面で、何度も自分でその内容を思い出し、口に出せるかどうか、を繰り返し、手と頭と口をフル活用することで、なんとかレジュメを見ずに話せるようにと、必死でした。

このアウトプット方法は、フランス語会話上達方法などで何度も耳にしてきた方法ですが、今までは頭でやろうと思って文章や内容を考えても、情けないですが、口を開くことですら、面倒臭さが勝ってしまって、実行できずにいました。しかし、芸人の中田敦彦さんやメンタリストのDaigoさんのYouTube動画で、何か覚えたいことはすぐに口にするか、その重要だと思ったことを区切りのいいところで頭の中で復習すると、記憶の定着度が変わることを知ったとたん、もうこれしかないと思ったのか、今までできなかったアウトプット練習が、数本のYouTube動画と、この試験への危機感・焦燥感が後押しして、実行できている自分に少し嬉しくなりました。

自分で説明できない、口にできないということは、頭で理解したつもりの曖昧なところや、覚えられていないことが浮き彫りになる、かつフランス語でなんとか繋ごうとする練習にもなるので、私にとって苦痛でもありながら、成長を感じられる良い方法だったと思います。

そのおかげか、側から見れば決して完璧ではありませんが、最終試験では、解剖学でも音楽でも、自分の頭の中にあることほぼ全てを自分の心から話すことができました。自分で言うのもあれですが、数週間でのオーラルの成長を先生方が褒めてくださったときは、少し涙が出そうになりました。

 

そんなこんなで、何とか乗り越えた、怒涛の1ヶ月。その最中は、本当にしんどくて、毎日自炊する時間も惜しいほど、試験に向き合わざるを得ない、全く余裕のない日々でしたが、今改めて振り返ってみると、ああ頑張ってよかったなと、少し、ほんの少しだけ、懐かしく思う今日でした。

 

試験を終えてから、3日が経ちましたが、ほぼ勉強をしなかったこの3日間は、いつもより長く、そして罪悪感を感じながらも、のんびりと自由気ままに過ごしています。

きっと長く感じるのも、今だけですね。人間、慣れるのと堕落するのは一瞬。あまりゆるゆるになり過ぎないよう気をつけながら、有意義に時間を使いたいと思います。