Faible parfum de Parisバレエと日々のあれこれ。

2019年9月より、フランス・パリにて、バレエ教師国家資格を取得するために奮闘する日本人の日々をつづります。

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引きこもり日記「人生初、レッスン担当デビュー」

4月26日(日)

今日は、毎週恒例のオンラインレッスンの日。そして、人生で初めてレッスンを担当した、記念すべき日でもある。今までアシスタントをしたことはあったものの、今まで自分でレッスンは持ったことないので、提案を受けたときは、こんな自分で大丈夫だろうかと、一瞬迷った。しかし、今ここフランスにいるのは、将来的にバレエを教えるためじゃないかと、はっとした。ついつい、目の前の勉強に必死になり、本来の目的を見失いがちである。迷う理由など1ミリもなかった。

と言うことで、前日の夜にひとりzoomの予行練習を行った。オンラインでレッスンをするというアイデアは、コロナが蔓延する前は考えたこともなかった。改めて、今のネットワークに、現代技術に感謝である。アンシェヌマンはあまり考えなくてもその場で出せると思ったものの、当日頭が真っ白になりかねないため、事前に準備。どうせなら、フランスで受けてきたレッスンの内容を入れたいと思い、1ヶ月以上前の記憶を辿り、レッスンを組み立ててみた。レッスン音楽もいろんなCDを聴き、ちょうど良いのをかき集めて…(レッスン曲を聞くと、やはりとても心が落ち着く) 初めてという不安から、当日まで頭がレッスンのことでいっぱいだった。現在活躍されている教師の方々は、どのような心持ちで初めての日を迎えたのだろうか…

先週を反省し、今日は7時過ぎに起床。今日は余裕を持って準備。今回も12人以上のメンバーが集まり、ついに記念すべき第1回目のレッスンが始まった。予想はしていたものの、やはりフランスと日本間は約1万キロも離れているので、ネット接続に難あり、何度も途中中断してしまった。そして、画面越しゆえ、みんなの様子を伺うタイミングも、余裕もなく、ただただハードな思いやりのないレッスンになってしまった(と思う)。主観的な感想しかわからないけれど、何より自分で驚いたのが、自分の口から全然パの名前が出てこなかったことである。普段、レッスンを受ける側で、(フランスに来てから特に)バレエ用語を話すことは滅多にないにしても、ここまで出てこなくなるとは思わなかった。バレエ歴20年以上にして、こんな自分に非常にショックを受けた。そして、フランス語と、英語での言い方を特に意識して区別して覚えてこなかったので、普段受けているフランス語でのレッスンでの記憶と、今まで日本で受けてきたレッスンの中で蓄積された記憶が、頭の中でごちゃ混ぜになっていることも、大きな問題だと気づいた。レッスンはセンターの途中までだったが、気づけば全身が暑く、汗が吹き出していた。この滝汗すらも、今や懐かしい。未熟なレッスンに振り回されながら、最後まで受けてくれたみんな、そしてこうした経験をする機会を与えてくれたことに、感謝である。この1回のレッスンでは、まだ1ミリにすら値しないだろうが、他人に対して教えることの難しさに触れた気がした、1時間であった。