Faible parfum de Parisバレエと日々のあれこれ。

2019年9月より、フランス・パリにて、バレエ教師国家資格を取得するために奮闘する日本人の日々をつづります。

移転しました。

約3秒後に自動的にリダイレクトします。

引きこもり日記「コロナに負けない、オンラインバレエレッスン」

4月8日(水)ロックダウン22日目

前回の投稿から早1週間…

フランス全土でロックダウンが実施されて、もう3週間が過ぎたらしい。はじめの1週間は、本当に毎日が長く感じて仕方がなかったが、だんだんとこの生活にも慣れ、授業や課題、復習に追われていると、あっという間に4月2週目に入っていた。4月15日、ちょうど1週間後まで外出禁止令の期間として設定されているが、エドワード・フィリップ首相も述べていたように、また期間が延長されるだろう。来週の13日にマクロン大統領が再び演説する予定である。この延長はわかってはいたものの、ニュースで今年の夏のバカンスの予約はしないように、というのを耳にし、約3ヶ月後、果たして日本に帰ることはできるのだろうか、とまだ先のことながらも不安になった。

そして、パリは先週末から2週間のバカンス中である。旅行禁止のバカンスなんて、前代未聞ではないだろうか。それでも、日曜は久しぶりに天気が良かったのもあり、大勢がルールを破り、道が塞がるほどの人混みができている映像を見て、この映像はロックダウン前のでは、と一瞬目を疑ってしまった。せっかく、みんなで自宅待機を守り、そろそろこの成果が出てきてもおかしくない時期なのに…がっかりしてしまった。この気の緩みと、1日の死者数が最高の800人を超えたことを受けて、今日から10時から19時の間は1時間の運動すら禁止になってしまった。(しかし、これによって19時以降に人が集中し、却って逆効果なのでは、という結果に)

各国で厳しい制限化の中での生活が無期限で継続されているが、この状況を受けて、様々な分野で自宅にいながら利用できるオンラインサービスが提供され、かなり充実してきている。

美術館のバーチャル鑑賞、フィットネス番組、教育番組(小学校から高校まで)などなど。

その中でも、世界のバレエ団の協力により、今まで見たことのない作品や、つい最近上演されたものなど、普段はなかなか見れない貴重な映像を無料で見ることができる。24時間限定、数日限定のものが多いので、勉強の合間を縫いながらではあるが、その贅沢さを噛みしめながら、世界のダンサーたちの美しさに惚れ惚れとする時間は、この困難な状況での辛さを忘れさせてくれる。

そして何よりありがたいのが、世界のバレエ団がオンライン公開レッスンを配信してくれていることだ。さすがにフルレッスンは無理だが、センターのアレグロまでレッスンしてくれるため、自分だけではなかなかやる気が出ない時も、動画に助けられて、ここのところほぼ毎日レッスンできている。オランダ国立バレエ団のオンラインレッスンにお世話になっていたが、今日はENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ団)が公開している、世界的バレエダンサー、タマラ・ロホのオンラインレッスン動画を見つけたのでさっそく受けてみた。(ここのところ毎日12時にライブ配信、その後もYouTubeで見ることができる)順番を見せてくれている時もその爪先の美しさに見惚れて何度か順番が頭から抜けてしまい、慌てて巻き戻し…意外とレッスン内容はシンプルであったが、レッスンが終わる頃には適度な疲労感があった。今、画面越しではあるが、世界的バレエダンサーのレッスンを受けていると思うと、身が引き締まる思いがした。こんな不幸な伝染病が流行らなかったら、このような贅沢な体験はできなかったかもしれない、そう思うと、少しだけ慰められた気がした。