Faible parfum de Parisバレエと日々のあれこれ。

2019年9月より、フランス・パリにて、バレエ教師国家資格を取得するために奮闘する日本人の日々をつづります。

移転しました。

約3秒後に自動的にリダイレクトします。

引きこもり日記「ちょっと怖い現実」

4月29日(水)

4月29日は、どうやら国際ダンスデーらしい。インスタグラムで、世界のバレエ関係者によるお祝いの投稿が目立っていた。恥ずかしながら知らなかったので、調べてみると、「ユネスコ舞台芸術部門を担当する国際演劇協会のダンス委員が1982年に制定」したものらしい。日付はフランスの舞踏家・バレエマスターであるジャン=ジョルジュ・ノヴェール(Jean-Georges Noverre、1727-1810)の誕生日に因んでいるらしい。ノヴェールは、18世紀に登場したバレエ・ダクションの提唱者のうちの一人として非常に重要な人物。ノヴェールは、従来のステップと音楽のみを基軸とする宮廷バレエ(La Belle Danse)から脱却し、身振りやパントマイムを取込み、しっかりとした台本に基づく劇的な舞踊、つまりバレエ・ダクション(仏Ballet d'action、日本語表記にはやはり違和感がある…)を提唱した。

本来は、この日には、世界中で、ダンスに関連した様々なイベントが開催され、記念日を通じて、普段ダンスと接点を持たない人達にもダンスに触れてもらう有意義な日であるが…来年は、踊る喜びを世界中で無事に祝えることを祈ろう。

で、それは怖い現実ではなく…

フランスは、2週間後、5月11日についにロックダウン解除を迎える(予定)である。そのため、最近のニュースはもっぱら解除に向けて、どういうプロセスを踏むのか、本当に解除して大丈夫なのか、など、「解除」に焦点が当てられている。以前も書いたように、ニュース番組ですら、通常運転ではないので、ひたすらいくつかのその日のニュースを何度も何度も繰り返し回している。なので、最近は朝起きて1ターン?分ニュースをとりあえず見た後は、もう見ないことにしている。そして、ふとあることに気がついた。いつからか、24時間の死者数、感染者数、集中治療室に入った人数、など、1日のコロナに関する数字が全然画面に出ていないのだ。口頭では(さらっと)伝えているものの、以前の5分に1回くらい頻繁に告げられていた数字が、いつの間にか存在が薄くなっている。あまり数で騒がなくなった、ということは、ロックダウンも1ヶ月半以上が継続された今、かなり減ってきていて、頻繁に報道するまでもないくらいまで下がったのか、と思っていた。しかし、今朝見たニュースを見ると、24時間内にフランスで亡くなった人数は、いまだに400人を超えていた。え?一瞬目を疑った。通常の世の中であれば、さらっと流せるような人数ではない。確かに、ピーク時の800人越えに比べると遥かに減ったかもしれないが、この現状と、報道の偏り?操作?に恐ろしくなった。自分自身も、もう意図的にニュースをあまり見ないようにしているので、情報収集欠如ゆえの衝撃かもしれないが、それにしても、まだまだこれだけの人数が1日に亡くなっているのに、2週間で十分なのだろうか…解除された先に待っている生活はどうなっているのだろうか。私の心の中に、再び大きな不安の波が押し寄せてきている。

 

※コロナによって爆売れしているらしいカミュの「ペスト」。たまたま今日YouTubeで見つけた芸人・中田敦彦さんの番組が非常に面白く、「ペスト」、また歴史的感染症についての解説動画も上がっており、ついつい夢中になって見てしまった。まだ見たことがない方は、ぜひ一度視聴してみていただきたいです。まだ経験したことのない、この不安な状況の中で、知っておいて損はない、というよりも、正しく恐れるために知っておくべきだと思います。


【世界を変えた感染症の歴史①】〜想像を絶する人類の戦い〜


【世界を変えた感染症の歴史②】〜感染症を正しく恐れるために歴史に学ぶ〜


今読むべき小説【ペスト①】〜ロックダウンされた街〜


今読むべき小説【ペスト②】〜ロックダウンは恐怖から疲労へ〜